佐野元春オフィシャル・ファンサイト「Moto's Web Server」より
本サイトでは、昨日、トランプ大統領を無批判に歓迎する日本のマスコミの意識の低さを批判する意味で、SKY—HIがシャーロッツビル事件を意識してつくった、ニューアルバムのタイトル曲「Marble」を紹介した。
だが、トランプ来日に合わせて、もうひとつ、是非とも聴いてもらいたい曲がある。それは、佐野元春の新曲だ。
先月20日、佐野は配信限定EP「Not Yet Free」をリリース。その1曲目におさめられている楽曲「こだま-アメリカの友人、日本の友人に」は、今年の4月、ニューヨークのサウスブロンクスに滞在している間に書かれたものだが、スポークンワード形式のこの曲のなかで佐野はこのように朗読している。
〈誰がリーダーだろうと気にしない
気にするのは
リーダーに翻弄された人々
巻き込まれ、分断され、差別され
時に、人と人が殺しあうゲームに参加してしまう
今、できることは何
それはきっと
寄り添うこと
怒りを感じ
声が届かないと感じ
無力だと感じている友達の痛みに寄り添うこと〉
この詩に登場する「リーダー」は明らかにドナルド・トランプのことを指したものだ。人々の差別と憎悪をかきたて、分断をつくりだそうとするリーダー。しかし、佐野はリーダーに翻弄されるな、むしろ「痛みに寄り添う」ことでそのリーダーに対抗しようと呼びかける。
静かだが、野蛮な暴力には絶対に屈しない覚悟を感じさせる言葉。まさに佐野らしいプロテストソングといえるだろう。
そして、この「リーダー」が指している人物は、もうひとりいるのではないか。そう、日本のリーダーである安倍晋三のことだ。