自由民主党HPより
街頭演説では相変わらず森友・加計問題や憲法改正は語ることなく、北朝鮮の脅威を煽り、アベノミクスによる経済成長や社会保障の実績をがなり立てつづけている安倍首相。本サイトでは、北朝鮮問題は安倍首相こそが「国難」の役割を果たしていることは再三指摘してきたが、しかしもう一方の経済・社会保障政策についても、安倍首相の説明は嘘や詭弁だらけだ。
たとえば、安倍首相の主張で耳を疑ったのは、10月8日NHK『日曜討論』で発したこんな言葉だ。
「法人税を引き下げましたが、法人税収は増えています」
よくもこんなあからさまな嘘をつくものかと呆れる。今年7月5日に財務省が公表した2016年度の決算概要では、法人税収は前年度より5000億円も減少。しかもこれは2年連続の減少だ。
さらに、安倍首相は遊説でも「GDPは過去最高」「GDPを50兆円も増やした」としきりに喧伝。だが、これにはカラクリがある。
まず、前提として安倍政権は2016年にGDPの推計方法を見直しており名目GDPが“かさ上げ”されている。また、名目値から物価変動の影響を差し引いた実質GDPの増加率はリーマンショック前の水準を下回っている(毎日新聞10月18日付)。第二次安倍政権発足からの実質成長率は年平均で1.4%でしかないのだ。
しかも、8月に内閣府が17年4−6月期の実質GDPを速報値で「プラス4.0%」と公表し、六・四半期連続でのプラス成長に安倍政権は「戦後2位のいざなぎ景気に並ぶ景気回復」などと強調したが、エコノミストの田代秀敏氏はこの数字が〈13兆5378億円もの「季節調整」が“大盛り”になっている〉と指摘。実際、9月に入って内閣府は速報値の4.0%から2.5%へと大幅に下方修正したが、季節調整を入れなければこの期の実質GDPは〈マイナス9.9%〉だと述べている(「週刊新潮」10月19日号)。