蓮池薫氏「北朝鮮が対話に乗り出す可能性ある」「北朝鮮の望みも聞いて交渉の段階を上げるべき」
蓮池薫氏は今月15日にNHKが報じたインタビューのなかで、北朝鮮の金正恩委員長について「今、核とミサイル、アメリカとの関係のことで頭がいっぱいで、日朝関係や拉致問題にほとんど関心がないはずだ」としながら、このような見方を示している。
「しかし今後、追い込まれてくれば、突破口を開こうと対話に乗り出す可能性がある」
「政府が(拉致被害者を)『生存している』と判断しているなら、その点で妥協はせず、北朝鮮が望んでいることも聞いて、交渉の段階を上げないといつまでも同じことの繰り返しになる」
拉致被害の当事者であり北朝鮮のことをよく知る蓮池薫氏は「対話」の可能性に言及し、「北朝鮮が望んでいることも聞いて」と、事実上、安倍首相による強硬姿勢を批判するかのような発言をおこなっているのだ。
さらに衝撃的なのは、薫氏の兄・透氏による安倍首相批判だろう。本サイトでも透氏のインタビューを掲載したが、透氏は「安倍さんは、拉致問題を利用して、総理大臣になった」と痛烈批判。安倍首相がこれまでアピールしてきた拉致問題の“武勇伝”がことごとく嘘にまみれていたことを明らかにしたのだ。
安倍首相が拉致問題を政治利用するのは、今回の選挙がはじめてのことではない。安倍晋三という政治家は、その政治人生においてことあるごとに拉致問題を利用してきた。ウソの武勇伝を自ら喧伝し、自身の“闘う保守政治家”イメージをつくりあげ排外ナショナリズムを煽り、それらを武器に総理大臣にまで駆け上がったのだ。
そして今回、本サイトは第二次安倍政権発足以降、拉致問題に深く携わった人物に接触。安倍首相がいかに拉致問題を、そして拉致被害者救出のための団体や被害者家族を利用しているか、その内情についての証言を得ることができた。
証言インタビューに応じてくれたのは、関東地方某県の「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(以下、救う会)元幹部2人だ。2人は2000年代後半から拉致被害者を救出すべく「救う会」に参加してきた。しかしその不実な現実を目の当たりにして、現在では「救う会」から離れ、独自の活動を続けている。
「救う会」は2002年の小泉訪朝直後から、「拉致被害者家族連絡会」(以下、家族会)同様、大きな影響力をもつようになっていった団体だ。だが一方で、過激でファナティックな思想や金銭問題などの問題も取り沙汰されてきた。果たして、現在「救う会」はどうなっているのか。そして安倍首相との関係とは──。以下は、元幹部の“怒りの告発”である。