“北朝鮮のミサイル発射は数日前にわかっているから大丈夫”と強弁
田崎氏はほかにも「解散は北朝鮮による攻撃の空白期間をつくってしまう」という声に対しても、「あんまり大っぴらに上がってないんですけど、ミサイル撃つ数日前にはね、この辺りに撃ちそうだっていう情報はね、取れているんですよ」などと各番組でアピール。田崎氏にしてみれば安倍政権の盤石の構えを強調したかったのだろうが、『グッディ!』では司会の安藤優子が「だったらわたしたちにも教えてほしいですけどね」とすかさずツッコミを入れていた。
いくら田崎氏が吠えても、大義のない、安倍首相の自己都合のための解散であることは間違いないが、しかし、恐ろしいのは、選挙に向けて安倍政権の暴挙を正当化する意見を発するコメンテーターは田崎氏だけではない、ということだろう。
実際、『ひるおび!』では、やはり田崎氏と並ぶ政権ヨイショ派の八代英輝弁護士が、今回の解散を正当化。「モリカケ疑惑隠し」の意見に対しては「(森友・加計問題の安倍首相の説明は)おそらく納得できないという方は、臨時国会での説明を聞いても納得できないんだろうと思う」などと言い、解散総選挙について「(北朝鮮の)いままでの緊張状態に対する対応への評価の場でもあるのではないか」「安保法制をつくっていたから対応できたのでは」ともち上げた。
今後、メディアではきっと、安倍政権の息がかかったコメンテーターたちが、「森友・加計疑惑の追及ばかりでは政策議論ができない」という、まさに疑惑隠しの詭弁を強調するようになっていくだろう。しかも、前回の2014年衆院選では、安倍政権はメディアに対して“自民党に批判的な報道はするな”という露骨な圧力をかけた。その結果生まれた“萎縮”は、いまもはっきり効力をもっている。
だからこそ、メディアには「萎縮するな」と訴えていく必要がある。今後、本サイトでは、安倍首相による自己都合解散をめぐる報道を、つぶさにチェックしていきたいと思う。
(編集部)
最終更新:2017.09.19 10:34