『FNS歌謡祭』でトランプ米大統領の顔色を伺うメディアを批判
きわめつきは、昨年12月に放送された『2016FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ)でのパフォーマンスだろう。この日はもともと、『FNS歌謡祭』のためにアレンジされた「乾杯」が歌われるとアナウンスされていたが、そこで視聴者が目にしたものは耳馴染みのある「乾杯」とはまったく異なるものだった。長渕はギターを叩くように搔き鳴らしながらこう歌い出したのだ。
〈アメリカの大統領が誰になろうとも
凶と出るか吉と出るかって
そりゃ俺達次第じゃねぇか
今日もマスメディアの誰かが
無責任な話ばかりしている〉
アメリカ大統領の顔色をうかがってばかりの日本のメディアに対する痛烈な批判をぶちまけた後、さらに長渕は「歌の安売りするのも止めろー!」と、ミュージシャンたちに檄を飛ばし、被災地を置き去りにしてオリンピックに浮かれるこの国にこう問いかける。
〈俺達の東北、仙台、俺達の九州、熊本
そして福島も頑張ってんだ
オリンピックもいいけどよぉ
若者の貧困 地域の過疎化どうする?〉
騙されねぇぜマスコミ
騙されねぇぜヒットチャートランキング
騙されねぇぜワイドショー〉
こういったオリジナルの歌唱が4分近く続いた後、皆が知る「乾杯」に入っていったのだが、実は、この『FNS歌謡祭』について、長渕は今回、『BLACK TRAIN』のプロモーションとして登場したウェブサイト「音楽ナタリー」のインタビューで、興味深い発言をしている。