隠蔽体質は全体主義の基盤
繰り返しになるが、少額領収書の開示請求は各国会議員の政治団体について要求されるものであり、言い換えればこれは、国民から政治家への直接的なチェック行為だ。ところが、開示請求の窓口である総務省は菅氏に情報をあげていたのである。これは、明らかに国民に対する背信行為であり、国家公務員法の守秘義務違反にも問われかねない行為だ。
それは、その情報をさらに下村氏をはじめとする自民党国会議員に流した菅官房長官も同じだ。まさに官房長官という地位を使った情報隠蔽に他ならない。
ところが、今日の会見で記者からこの問題を追及された菅官官房長官は「ご指摘のような事実はなかったということ」などと言うだけで、まったく説明する姿勢を見せなかった。下村事務所の日報の存在自体は下村側も認めているにもかかわらず、である。
周知の通り、安倍政権では、防衛相の南スーダン日報問題や、財務省の森友問題関連の公文書破棄、そして、文科省の加計問題めぐる杜撰な内部文書調査など、政治権力と役所が癒着した様々な隠蔽問題が吹き出した。
こうした安倍政権の隠蔽体質を質さねば、政治家たちは国民の知らぬところで、なんでもやりたい放題できてしまう。いわば、情報開示請求に対する隠蔽は全体主義の土台作りに他ならない。徹底した追及が必要だ。
(編集部)
最終更新:2017.12.05 07:56