スシローの官邸代弁解説に斎藤さんは京産大外しを持ち出して反論
実際、安倍政権が再調査を言い出したのは、現役の職員が実名で告発しようという動きが出てきたため、それを牽制する目的だったのではないかともいわれている。また、文科省内ではこんな見方も広がっている。
「共有メールのCCに入っていた十数名は、現在ほかの職員と隔離され、メディアとの接触も難しい状況に置かれている。しかし、CCの十数名以外にもこの文書を見たと証言している職員も多く省内でかなり拡散されている。誰が誰に転送したとか、プリント履歴とか、犯人探しに躍起になっている」(文科省関係者)
しかし、斎藤さんの鋭いツッコミにもかかわらず、田崎は官邸のシナリオにしたがって、「総理のご意向文書が見つかっても何の問題もない、中身は普通に規制緩和の指示にすぎない」と強弁し続ける。
「総理の意向とは何かという問題なんですよ。規制緩和を進めなさいというのは、いたるところでやってるわけですよ。私の友だちである加計を進めなさいとは絶対に言っていないと総理は言ってるわけですよね。だからそこは、加計学園を優遇しろっていうことでなければ、規制緩和全体を進めろってことならば、それは問題ないってことですよ」
「国家戦略特区会議で、正式に決まったことなんですから。安倍さんが議長をされている特区の会議があって、そこで決められたことを、内閣府は忠実に実行してるだけなんですよ。安倍さんがこれやれって言って、すぐ内閣府が動いて文科省をおどしたって話じゃないんですよ。国家戦略特区会議でてることなんですから」
しかし、これに真っ先に不審の声をあげたのが、やはり斎藤さんだった。
「うーん」と不審の声をあげ、「でも京都のもあるじゃないですか。そっちはまったくノータッチみたいな」と、同じく獣医学部の新設を希望していた京都産業大学には規制緩和の後押しをせず、加計ありきで動いていたことを指摘したのだ。
すると、田崎はあわててこんなとんでもないことを言い出したのだった。
「審査にたずさわった人の話を聞きましたら、やっぱり熟度が全然ちがったっていうんですよ。今治のほうは15年くらい準備してきてるわけですよ、地元の自治体の協力とか支援体制がガッチリしてるんですよ。京都産業大学の案は、おそらく1、2年で急ごしらえなんです。だから紙の枚数は多いかもしれないけど、その部分の熟度がちがったって話なんです」
よくもまあこんな嘘を堂々と吐けるものだ。京産大は、ライフサイエンス分野では「既存の獣医学教育機関でほとんど実施されていない産官学共同事業の取り組み」や、ノーベル賞受賞者の山中伸弥教授率いる京都大学iPS細胞研究所との連携を打ち出していたし、感染症研究においては10年以上前の2006年から鳥インフルエンザ研究の第一人者であり世界的権威である大槻公一教授をセンター長に迎えた研究センターを設置するなど下地を整えていた。それを「1、2年で急ごしらえ」とは……。むしろ、ずさんだったのは、加計学園傘下の岡山理科大学の申請書類で、「MERS」(中東呼吸器症候群)を「MARS」(火星)と書き間違いするといういい加減さだった。