『こんなに違う! 世界の性教育』(メディアファクトリー新書)
現在、AKB48グループは、動画配信サイト・SHOWROOMを通して、各メンバーが自宅や楽屋などでスマートフォンを使い自ら放送を行う動画配信サービスをしているが、その配信でちょっとした事件が起き、それが「日本の性教育」の不備について改めて議論を噴出させている。
先月25日、瀬戸内7県を拠点とし、今年4月に活動が始まったばかりのSTU48に所属する石田みなみが自宅で動画配信を行っていたところ、カメラの操作を誤り、偶然部屋に置いてある生理用ナプキンを映してしまう事故が起こった。
本人は笑って恥ずかしかっていたが、まあこれだけなら大した騒動でもない。ただ、このちょっとした放送事故を話題にした「2ちゃんねる」のスレに書き込まれた言葉が、大きな話題を呼んだ。
〈ナプキンwwww非処女確定wwwwwwww〉
〈セックスの予定ないのに生理する意味ってなんなんですかねwww〉
書き込みの主が本気で書いたのかどうかは判別できないが、ネタとしてもちょっとありえない感覚だろう。
しかもこれは笑い話では済ませられないかもしれない。今後、子供たちの間でこういう間違った性知識や無茶苦茶な偏見がどんどん広がっていっていく可能性がある。
それは、いま、日本で正しい性教育の機会がどんどん減っているからだ。
日本性教育協会によると、2013年に男女学生を対象に行った「性に関する情報はどこから得るか?」といったアンケートに対し、男女ともに「学校」や「家庭」は0%。男子学生では「メディア」が58%で、女子学生は「友人」が57%が最大回答となっている。
「友人」という回答はもちろん、「メディア」という回答も、問題は多い。学校で基本的な知識も得ておらず十分なリテラシーもない人が、インターネットを始めとした有象無象の情報にアクセスすることは、メリットよりもデメリットのほうを多く含有していることは言うまでもないだろう。
その結果もたらされているのが、昨今しばしば報じられている「日本は先進国のなかで数少ないエイズ発症患者が増加している国」や「梅毒感染者数の増加が著しい」といった歓迎されざる状況なのに疑いの余地はない。