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タトゥーの彫り師が医師法違反? 菊地成孔、鴻上尚史がトンデモ法解釈に異議!「法律の拡大解釈によるイジメ」

規制はもともとタトゥーではなくアートメイクを対象としたものだった

 逮捕の根拠となった通達はもともとタトゥーではなく、アートメイクの分野で健康被害が起こっていたことから設けられたものだった。よって、00年に出された通達はアートメイクのみを対象とするものであったのだが、それが翌年の通達でなし崩しにタトゥー全般にも適用できるような文になってしまったのである。16年5月2日放送『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)に出演した彫師の岸雅裕氏は、その経緯をこのように語っている。

「この通達はもともと、美容メイク、アートメイクの方でアイラインを入れたりとか、眉毛にタトゥーを入れた時に、目元っていうのはすごく難しいんですね。で、アートメイクの機械っていうのは、ほとんどタトゥーマシーンをちょっと簡単に、軽くしたもので、機能というか構造は変わんないんですよ。で、それで健康被害が出て、センターに苦情が出て、それで通達のなかで最初は「アートメイクの機械を用いて針先に色素を付けて皮膚下に入れてはいけない」っていう通達だったんです。アートメイクに限った通達だったんですね。その通達が出た翌年に「アートメイクの機械を用いて」という言葉が除かれて、広くタトゥーにも応用できるようなかたちになってしまった」

 ようは、難易度が高く実際に健康被害が出たアートメイクに対してもうけられたはずの規制が、ただ使われる技術が似ているからというだけで健康被害が出たわけでもないのに、範囲がなし崩しに拡大し、タトゥーを入れる行為全般にも適用されるようになってしまったというわけだ。この背景には、行政側のタトゥーに対する無理解と無関心が見え隠れする。

 行政がこのような強引な法の拡大解釈をもち出してきた裏には、入れ墨に対する偏見、「日本から入れ墨を彫る文化などなくなっても構わない」という考えがあるのだろう。彫師全員が医師免許を取るというのは現実的ではないし、医師としての技術と彫師としての技術は、言うまでもなくまったくの別物だ。海外でも、免許制や登録制はとっていても、彫師に医師免許を必要とさせている国などない。

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