前川前次官、木曽内閣官房参与の新証言にも菅官房長官は…
呆れ果てたのは、竹下亘・自民党国会対策委員長の発言だ。竹下国対委員長は前川氏の証人喚問について「今回は明確に必要ないと思っている」と明言。記者から「必要ないと考える理由は?」と訊かれると、「必要ないということが、その理由だ」と答えになっていない答えを返したのだ。
竹下国対委員長といえば、森友学園問題の際、安倍昭恵夫人による100万円寄付疑惑が浮上し「総理に対する侮辱だ」と激怒して、それまで籠池泰典氏の参考人招致すら拒否していたにもかかわらず一転、籠池氏の証人喚問を提案したが、今回は「前川氏の証人喚問が必要ない理由は必要ないから」。これで国民に納得しろとは無理筋も過ぎる。
一方、加計学園問題の要である安倍首相は、サミット帰国後からは獣医学部新設の問題を「岩盤規制にドリルで穴を開ける改革」と強調。無茶苦茶な話のすり替えを展開しはじめたのだ。
実際、一昨日に行われた参院法務委員会では、民進党の小川敏夫議員に、過去に加計学園で役員に就き報酬を得ていたのではないかと追及されると、安倍首相はその事実を認めた。これで安倍首相と加計学園は利害関係にあることが明確となったわけだが、しかし安倍首相は開き直ったように「はるか昔のこと」「印象操作だ」とわめき立て、「まるで私が友人である加計さんのために便宜を図ったという前提で議論しているが、それは極めて恣意的」と反発。「(便宜を図ったというなら)小川さんが証明してもらいたい」と言い放った。
利害関係者であることが判明したというのに「印象操作」などと言えた立場かと思うが、さらに安倍首相はつづけて、こんな話をはじめたのだ。
「獣医学部の新設についてはですね、民主党時代に、これまさに民主党時代に、平成22年度中を目途にすみやかに検討と、前向きに格上げしたわけでございます」
「それを踏まえて私たちは、まさに岩盤規制にドリルで穴を開けるためにこうした努力を行っているわけで、これを政局のためにですね、いわば抵抗勢力と手を組むかのごとくはですね、これはやはり政治家としてどうなんだろうと私は率直に思っている」