「週刊新潮」(新潮社)5月25日号
テレビや新聞、ネットでは、今週発売の「週刊新潮」(5月25日号)が「週刊文春」のパクリ疑惑を告発したことばかりがなぜか大きなニュースになっているが、同号記事で注目すべきなのはそんな業界内のセコイ縄張り合戦などではなく、“安倍官邸御用達”ジャーナリスト・山口敬之氏の「準強姦疑惑」第二弾ではないのか。
この第二弾記事では、前号に続いて山口氏が被害女性に送った言い訳がましいメール内容の数々を公開するとともに、山口氏の代理人弁護士が示談を求める姿勢を見せていた事実を伝えている。山口氏は〈私は法に触れる事は一切していない〉〈起訴も逮捕もされてない〉とあくまで強気の姿勢だが、その一方で、親告罪である準強姦罪を“カネで解決”しようとしていた形跡があるという。
しかも、さらに注目すべきなのは、本サイトが数日前の記事で指摘していたように、山口氏が首相官邸、内閣情報調査室幹部に「週刊新潮」の取材について相談していた事実が掲載されていたことだ。
同誌はそのメールの画像を公開しているのだが、文面は以下のようなものだ。
〈北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。
〇〇の件です。取り急ぎ転送します。
山口敬之〉
黒塗りの〇〇は被害女性の苗字が記されていたというが、問題はメールの宛名の「北村さま」だ。「週刊新潮」はこの「北村さま」が北村滋内閣情報官のことだというのである。北村氏は総理直属の諜報機関・内閣情報調査室(内調)のトップで、“官邸のアイヒマン”との異名を持つ安倍首相の片腕的存在。山口氏は「(北村というのは)民間の人物でご指摘の人物ではない」と否定していたが、北村内閣情報官は「週刊新潮」の直撃に「お答えすることはない」といっただけで、否定しておらず、状況から見て、北村内閣情報官以外にはありえないだろう。
しかも、笑ってしまうのは、「週刊新潮」編集部がこのメールを入手した経緯だ。記事によると、同誌編集部から取材依頼のメールを受け取った山口氏が、これを北村氏に転送しようとして、誤って「週刊新潮」に送信してしまったらしいのだ。