産経のネタ元は2ちゃんねるの“ネトウヨ隔離板”だった!
しかも、産経が「的中」と報じている14日の発射時間すら、全然「的中」ではなかった。
そもそも、日本政府などが発表している14日のミサイル発射時間は日本時間午前5時28分。一方、2ちゃんねるの書き込みでは「14日5時56分」が「発射予定時間なのかな?」であった。念のため言っておくと、北朝鮮と日本には時差があり、日本のほうが30分早い。つまり、2ちゃんねるの書き込みが日本時間を指すとすれば現実と28分のズレがあり、あるいは北朝鮮時間ならば日本時間6時26分を意味するから約1時間もズレていたことになる。ちなみに、算数(国語?)のできないネトウヨたちは「北朝鮮は30分の時差があるのでピッタリだ」などと言っているが、ちょっと意味がわからない。
とはいえ、コレはもう、そういうファクトチェック以前の問題だろう。だいたい、2ちゃんねるをソースに記事を書くのって、仮にもマスコミである新聞社がやっていいことなのか。
本サイトでも念のため調べてみたが、たしかに産経が取り上げた2ちゃんねるの書き込みは、13日の17時55分に「東アジアニュース速報+板」のスレッドにあった。なお、「板」とは2ちゃんねる内のカテゴリのことである。
だが、ちょっと待ってほしい。「東アジアニュース速報+板」といえば、韓国や北朝鮮、中国の話題をひたすら集めたうえで、ニュースとは名ばかりの偽情報と差別言辞が飛び交うネット右翼の温床。「デマだらけ」「便所の書き込み」と言われる2ちゃんねるのなかでも“肥溜め中の肥溜め”と呼ぶべきネトウヨ隔離用の板だ。
ようするに、産経はそんなネトウヨ連中が“砂遊び”をしているようなところから得意げに「ニュースソース」を拾ってきて、ドヤ顔で「北朝鮮の暗号放送を解読」「明日もあるのか」などとほざいていた、というわけだ。まったく、どうかしているとしか思えない。
一応、言っておくが、仮に、報道機関が2ちゃんねるから情報を得たとしても、それをきっちり取材・検証してから報じたり、批評対象として論評するならば、まだわからなくもない。だが、産経の記事は、問題の2ちゃんねるの書き込みの裏取りも検証も一切なければ、論評らしい論評も皆無。繰り返すが「ネットで話題」という体で“明日も発射があるかも”と煽っただけである。
もっとも、産経が以前からネトウヨばりのデマを散々報じてきたことは、本サイトでもその都度取り上げてきたように重々承知だ。しかし、さすがに今回の“2ちゃん丸呑み”はヒドすぎる。というか、〈「明日も的中したらすごい」などと盛り上がっている〉のは、御社のウェブ編集チームのことじゃないのかとすら思えてくる。