共謀罪批判を「この法律ができたら困る人」とテロリスト扱い
しかも、自民党のこのチラシが問題なのはたんに自分たちが「デマ」をふりまいているということだけではない。「この〈「デマ」を流す人は、この法律ができたら困るから〉という文言には、共謀罪をつくろうとする自民党の危険な本質が現れている。ようするに、共謀罪批判を「デマ」と決めつけ、その批判をしただけで、「この法律ができたら困る人=テロリスト」と認定しているのだ。
共謀罪が恐ろしいのは、こうした「フツーの人」を「フツーの人じゃなくさせてしまう」ことにもある。共謀罪の施行によって市民による抵抗運動が「組織的犯罪集団」と名指しされ検挙対象となれば、社会は次第に「市民運動は犯罪行為」と見なすようになるだろう。いや、すでにネット上では、ネトウヨだけではなく新自由主義の冷笑系たちも抵抗運動を「反社会的」と表現し、参加する市民を「フツーの人じゃない」と呼ぶ。憲法に保障された表現や集会、言論の自由を否定し、「内心」に踏み込んで罰しようとする憲法に反した法律を肯定するのである。
政権批判ツイートをした人間をかたっぱしから、「デマ」と認定し、「テロリスト」にされてしまう社会もけっして絵空事ではない。
いずれにしても、この自民党のチラシが証明するように、安倍政権は「デマ」を流して共謀罪を成立させようとしている。彼らの言葉を借りれば、「「デマ」を流す自民党は、この法律ができなかったら困るから」だ。こうやって、安倍首相による姑息な「憲法破壊テロ」は、もうすでにはじまっているのである。
最終更新:2017.12.01 04:42