平成ノブシコブシ徳井は2年前から小説執筆を明かしていた
母の独特過ぎる料理や、父のギャンブル癖など、これまで徳井が語ってきた家庭環境とも一致するところの多い本作。不倫やアルコール中毒問題がどこまで事実に即しているかはわからないが、しかし、この小説を書くことが徳井にとっては切実な問題であったことは確かだ。
というのも、徳井が小説執筆の意思を明らかにしたのは昨日今日の話ではない。たとえば、15年9月には『PON!』(日本テレビ)のなかで、吉村が平成ノブシコブシでライブをやろうと徳井に提案したら「本を書こうと思っている」と断られたエピソードを語っている。
16年3月、『文藝芸人』出版にあたり開かれた記者会見で徳井は『団地花』という小説についてこのように語っていた。
「徳井家は悪魔の家庭。いつか復讐してやろうと思って書いてやりました」
「親に会わせる顔はないなと思っている。がんばって書きました」(ウェブサイト「お笑いナタリー」)
そして、『団地花』ではまだ書ききれていない部分があることから、この続きを書きたいと思っていると明かし、このようにコメントしている。
「読む人の気分を悪くしてやりたい。胸糞の悪い家庭なんです。こんなのうちの父親が見たら絶縁ですけど……。乞うご期待」(前同「お笑いナタリー」)
親との絶縁を覚悟してまで、小説という場を通して家族へ復讐を試みる平成ノブシコブシ徳井健太。彼の次なる作品はどうなるのか? 又吉とはまた違った意味で注目である。
(新田 樹)
最終更新:2017.12.01 02:07