●ネトウヨ脳全開!有村治子「NHKはどこの国の放送か」「中国ファーストだ」
さらに有村議員は「NHKはどこの国の公共放送でしょうか?」と言い出し、挙げ句、「中国大使館もこの番組をマークしている」と断言。以下のようにがなり立てたのだ。
「中国共産党が日本に編集員を潜り込ませずとも、日本の公共放送が自らの意思で中国の国旗の下に日本の国旗を配し、日本全国に配信する。中国の方から見れば、中華思想、チャイナファーストを日本の報道が自らやってくれていると見えるのでは。これがNHKの意図なのか」
言っておくが、『ニュースウオッチ9』のこの特集は、中国の脅威を煽る一方で“自衛隊は命がけで日本を守っている”と喧伝する、安倍政権の意向を反映しまくった内容だった。しかし、たんに中国の国旗が日の丸より上にレイアウトされていたというだけで、有村議員は国会でNHKを攻撃したのである。その姿は、被害妄想に駆られたネトウヨとまったく同じものだ。
いや、ネトウヨ脳という意味では岸外務副大臣も同様だ。岸外務副大臣は有村議員がNHKのこの問題を取り上げることは確認済みだったはずで、その上で国旗の上下配置について「適切ではなくあってはならないこと」と述べたのである。
ちなみに、岸外務副大臣は安倍首相の実弟であり、有村議員とふたりそろって日本会議国会議員懇談会のメンバーだ。しかも、有村議員は2013年の参院選で「日本会議推薦候補」に選ばれるなど、とくに日本会議と関係が深い議員である。
そして、今回のこの極右議員による国会での“茶番劇”は、あきらかにテレビ局に対する圧力だ。事実、有村議員の攻撃に、内閣府の井内正敏総括審議官は「ふたつの国旗を並べる場合には左右に同じ高さで表記する方法があろうかと思う」などと答弁。今後、NHKのみならず民放も国旗の配置に神経を尖らせることになるのは必至だろう。
安倍政権は2018年度からの保育所保育指針の改定案として、3歳以上の幼児にさえ国旗と国歌に「親しむ」ようにするとまとめた。また、最近では森友問題のどさくさに紛れて教育勅語を肯定さえして見せたばかりだ。
こうして教育現場を「森友化」し、メディアに対しては日の丸の扱いひとつで圧力をかける──。頭がイカれているとしか言いようがないが、これこそが2017年の日本の現実なのである。
(編集部)
最終更新:2017.11.22 07:26