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ものいうアーティストは日本にもいる! 山崎まさよしが作っていた憲法9条の歌、そこに込めた思いとは?

「7時のニュース/きよしこの夜」は、サイモン&ガーファンクルの2人が美しいハーモニーで「きよしこの夜」を歌う音に、公民権運動やベトナム反戦運動に関するラジオニュースの音源を掛け合わせ、現実社会で起きている深刻な状況をより強く印象づける楽曲。確かに、「#9 story」と似たような構造をもつ。

 しかし、もともと考えられていたクリスマスソングという企画を変えさせたほどの憲法9条への思いとはいかなるものなのか。前掲「SPA!」で山崎はこのように語っている。

「“自国の軍隊を持たないで子供を守れますか?”みたいなことを言う人がいるじゃないですか。そんな事態になったら犠牲になるのは子供なのに、子供を引き合いに出すんがおかしいんですよ。結局は切り捨てでしょ。未来のある子供を、先に死んでいくおっさんやおばはんが切り捨ててどないすんねんと」

 また、「BE-PAL」(小学館)14年1月号では、このようにも語っていた。

「戦争で犠牲になるのは、若い命です。それは数多くの戦争で実証されている。第二次世界大戦が終わってから、日本はここまで発展して、侵略や戦争もなくてやってこられた。これは9条があったからだと思うんです。政治は子供を守るためにあるわけで、次の世代が被害を受けないためにも、どう転ぶんであっても、もうちょっと考えたほうがいいかと思って」

 山崎がこのような考えをもつにいたったのは、彼に子どもが生まれた(長女は昨年生まれだが、長男は11年に生まれている)のが大きく影響している。長男が生まれたのは東日本大震災が起きた1カ月後だった。自身のプライベートと世間の激変が同時に起こった時期の心境の変化を、前掲「SPA!」のインタビューのなかで彼はこのように説明している。

「新しい命に対しては申し訳ない気持ちがまずありますね。政治家の顔を見てたら、なんや知らんけど腹立つんですよ(笑)。原発問題は収束しないし、消費税は上がるし、こんな出口の感じられない時代にね、子供が笑って懐いてくると、泣けてきますわ。まあだから、希望とか未来に繋がる歌を作っていけたらいいなと思います」

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