2月22日に発売されるASKAのニューアルバム『Too many people』(DADA label)
昨年末、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕・拘留されたものの、嫌疑不十分で不起訴処分となり釈放されたASKA。いま現在マスコミは「なぜ彼は尿検査でお茶を入れたのか」という問題を検証するのに躍起になっているが、そんなことよりも大事なことがあるだろう。
この件をめぐってのマスコミの報道は本当にメチャクチャなものだった。テレビ各局はまだ逮捕状すら出ていない段階にもかかわらず、警視庁のリークに乗っかって「ASKA元被告 逮捕へ」と一斉に報道。当のASKAは自分のブログで逮捕も覚せい剤の陽性反応も完全否定したが、ASKAの自宅前にはマスコミが集結し、警視庁による身柄確保の瞬間まであらゆるメディアで実況中継されるという事態に発展した。
「SPA!」(扶桑社)2017年2月14日・21日号でインタビュー取材に応じたASKAは一連の騒動のことを振り返り、このように語っている。
「僕が再逮捕されたとき、大半のマスコミは「クロ」と断じました。自分が不起訴になったから言うわけではないのですが、世間の人が当たり前のように真実として受け取っていたメディア報道のあり方について、一石を投じたのではないかと思っています。大量に供給される情報について、深く追及したり考えたりすることをせず、文字面だけを眺めてイメージを抱くのが世間です。もちろん、これは僕も含めた人の習性なので、いつの時代も変わりませんが……」
そして、この一件の報道で問題だったのは前述のフライング報道だけではない。釈放されるまでの間、マスコミはASKAのことをまるでオモチャのように扱い続けた。
知られている通り、取材過程では常識的に考えてあり得ないことが平然と行われた。ASKAが逮捕前に乗ったタクシーのドライブレコーダーを“公開”。 “おかしい言動を繰り返すASKAの逮捕前の様子”として見世物にしようとした。