読売テレビアナウンザーズ公式サイト「チームytvアナ」プロフィールページより
読売テレビのアナウンサー、「シミケン」こと清水健氏(40)が来年1月末で電撃退社すると報じられた。昨日、レギュラー番組の放送終了後に開かれた会見で、清水アナは「心も身体もいっぱいいっぱい」「息子の前で心から笑えていない自分がいるな」とその理由を語ったという。
シミケンといっても、関西の視聴者以外にはあまりなじみがないかもしれないが、同局の夕方の情報ニュース番組『かんさい情報ネットten.』のメインキャスターを5年以上務め、主婦層を中心に絶大な人気を誇る看板アナウンサー。それに加えて、妻を癌で失い、幼い子どもを男手で育てるイクメンとしても知られる。番組スタッフだったスタイリストの女性と結婚して1年もたたない2014年4月に妻の妊娠と乳癌が相次いで発覚。当初は余命1か月とも言われた妻の闘病と妊娠生活を献身的に支え、妻は無事出産を終えて4カ月足らずの2015年2月、母親になってわずか112日、29歳の若さで息を引き取った。
妻の死から1年後の今年2月には、その体験を綴った手記『112日間のママ』(小学館)を出版し、大きな話題になった。4月には癌撲滅や難病対策に取り組む「一般社団法人清水健基金」を設立。手記の売り上げ、講演会の収益などを医療機関や患者団体へ寄付している。
今回の退社報道でも、フリーアナウンサーになる意思はなく、講演会など癌患者支援の活動と育児に専念するためという意向が、周囲の証言として伝えられている。
だが、一方で、この清水アナの退社をめぐっては、そういう美談とは裏腹な、生臭い話も広がっている。来年9月に行われる堺市長選に、橋下徹が事実上仕切っている日本維新の会の候補として、出馬することになっているというのだ。
実は清水アナは、2013年9月にあった前回の堺市長選でも、地元・堺出身の有名人として、維新側から二度にわたり出馬を要請されていた。手記によれば、清水アナは「一瞬立ち止まってしまった」ものの、「現時点ではキャスターとして頑張りたい」と固辞。振られた維新は急遽、元市議を候補者に立て、当時の橋下徹代表が先頭に立って選挙運動を展開したが、大阪都構想に堺が組み入れられることに危惧を覚えた市民から「NO」を突きつけられ、惨敗している。