また、それ以外にも、年を重ねた女性の場合は性交痛の問題も出てくる。北村氏は前掲サイトで〈閉経が近づくと、女性ホルモン(エストロゲン)の低下によって腟粘膜が薄くなり、皮下脂肪の減少などによって、腟の乾燥や性交痛が起こります〉と説明しているが、年を重ねれば重ねるほどこのような痛みに見舞われる可能性は増えていく。そして、こういった状況をさらに深刻化させかねないのが、パートナーがED治療薬を服用した場合だ。まだ十分な準備が出来ていない女性器にバイアグラなどの効果を得た男性器が無理やりねじこまれることで膣壁裂傷を負ってしまうこともある。
こういったことを含めて考えると、「死ぬまでSEX」は始めから無理筋の特集だったのかもしれないが、ここ最近の「週刊現代」と「週刊ポスト」のこの特集に対する距離感の違いはいったい何が原因なのだろうか。ある出版関係者はこのように語る。
「あの特集は『現代』にとっても『ポスト』にとってもドル箱の特集でした。だから、時には10ページ近くもの誌面を割いたりもしていたのですが、ここ最近はあまり売上に貢献しなくなりました。最近はむしろ『飲んではいけない薬』『やってはいけない手術』系の企画の方が人気です。これも両誌とも熱心に取り組んでいる企画ですね。とはいえ、『死ぬまでSEX』にもまだまだ愛読者はいますし、そんななか、『現代』がこの特集に距離を置くようになったことで、『ポスト』はもう一度この特集に力を入れることにしたみたいですね。それであのような檄文が生まれたようです」
今後この論争はどんな展開を見せるか、生暖かい目で見つめていきたい。
(田中 教)
最終更新:2017.11.12 01:58