自由民主党HPより
ほんとうに21世紀の先進国での発言か。──今月16日に自民党内で開かれた内閣第一部会・女性活躍推進本部合同会議で「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」の法案審査が行われたが、その席上で飛び出したのは、耳を疑うものだった。
まず、西田昌司参院議員は、“女性の社会進出が少子化の原因となっている”という考えを示し、こう述べた。
「女性の社会進出で、社会全体が豊かになっているとは思えない。もっと根本的な議論をしてほしい」
繰り返すが、この日の議題は、政治の世界における女性の割合を増やすための法整備についてである。「女性の活躍する社会をめざす」と言いながら、日本の国会の女性議員の割合は衆議院で9.5%。下院比較で世界156位(2016年、列国議会同盟)という先進国にあるまじき数字であり、それを是正するための法案審議の場だったのに、「そもそも女性の社会進出はけしからん!」などと言い出したのだ。
西田議員だけではない。山谷えり子参院議員は法案について「法律をつくることで、かえって男女の対立が生じてしまうのでは」と発言。他の議員も「能力のある人は自力ではい上がる」「政党が自ら努力する話」などと述べたとし、党内議論はやり直しとなったという(朝日新聞デジタル11月16日付)。
安倍政権は「女性の活躍」を振りかざすが、その実現のためには他の先進国と同様、男性の数と並ぶ女性が政治に参加することが大前提となる。その議論の場で、少子化の原因を女に押し付け、「社会進出するのが問題」と言い出すのだから、開いた口が塞がらない。
しかも、これは一部の議員の暴言などではない。なぜなら、現在、安倍政権が押し進めている憲法改正の中身は、まさに「女は社会進出するな」と言っているに等しいからだ。