ASKAセルフカヴァーアルバム『12』(ユニバーサル・シグマ)
こんなことってありなのか。本日28日午後からマスコミが大騒ぎしているASKAの二度目の覚醒剤逮捕事件だが、その過程はかなり異例のものだった。何しろ、テレビ各局が逮捕状も出てない段階で一斉に、「ASKA元被告 逮捕へ」と報道したと思ったら、当のASKAが自分のブログで逮捕も覚醒剤の陽性反応も完全否定。その後、逮捕報道とASKAのブログの応酬が繰り広げられ、ASKAの自宅前にマスコミが集結。身柄確保の瞬間があらゆるメディアで実況中継されるという事態に発展したのである。
結局、ASKAは午後10時前に警視庁に逮捕されたが、逮捕報道は明らかな前打ちであり、この一件は警察と、それに無批判に乗っかるマスコミの危うい体質を浮き彫りにしたといえるだろう。
まず、経緯を説明しておこう。始まりは14時30分頃、NHK、そして共同通信が「歌手のASKA元被告逮捕へ。覚醒剤使用容疑」という速報を打ったことだった。これを受けて、放送中だった『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)、『ゴゴスマ GO GO! Smile!』(CBCテレビ)などのワイドショーが一斉にこのニュースに切り替え、大々的に報道を始めた。
報道によると、ASKA元被告は先週25日の19時ごろ、「盗聴とか盗撮されている」と自ら110番通報。この時、ASKA元被告がろれつが回らない状態だったため、警視庁が尿検査を行った結果、覚醒剤の陽性反応が出たという。そして、各局とも警視庁記者クラブからの中継で「これから逮捕にいたる」と断定的に報じた。
中でも『ミヤネ屋』は、宮根誠司が「覚せい剤使用の疑いで逮捕ですって」「また逮捕?」と、もうすでに逮捕されたかのようなトーンで解説していた。
ところが、その少し後、14時50分過ぎになって、当のASKAがブログに「はいはい。みなさん。落ち着いて。」(原文ママ)と題して、こんなことを書き込んだのだ。
〈間違いですよ。詳しくは書けませんが、先日、僕の方から被害届を出したのです。被害の内容は想像してください。そしたら逆に疑われてしまいまして、尿検査を受けました。何の問題もありません。すべて、フライングのニュースです。これから弁護士と話します。〉