左・駐日イスラエル大使館ホームページより/右・「サイレントマジョリティー」
欅坂46のナチス衣装問題でユダヤ系人権団体サイモン・ウィーゼンタールセンター(SWC)の謝罪要求に対し、欅坂46の所属レコード会社であるソニー・ミュージックと総合プロデューサーの秋元康が11月1日に謝罪コメントを発表したが、つづいて3日にイスラエル大使館がソニー・ミュージックと秋元に宛ててメッセージを投稿。今度はそれがネット上で炎上している。
〈タレントさんは多大な影響力があり、皆様がこの重大な問題について知識を持つことが重要です。そこで@keyakizaka46のメンバーの皆様をイスラエル大使館でのホロコーストに関する特別セミナーにご招待させて頂きたいと思います〉
このツイートに対する反応は、目を覆いたくなるような意見で溢れた。「悪意はないのに」「ナチ思想を礼賛したわけでもないのに」「なんでそこまでしなきゃいけないのか」と問題を軽視するもの、「ユダヤ人のやったことを見に広島原爆ドームに来て下さい」と話をすり替えるもの、さらには「被害者面しやがって」「中東の朝鮮人」「被害者ビジネスの元祖」「世界の嫌われ者」というヘイトスピーチそのもののもの……。
そして、4日には高須クリニック医院長で“ネット右翼”さながらのツイートを行うことで有名な高須克弥が、イスラエル大使館にこんなリプを送った。
〈イスラエル大使館の皆さんは多大な影響力がありこの重要な問題について知識を持つことが重要です。お返し皆さんをユダヤ人科学者の青果である広島原爆資料館に御招待したい。瀕死の被爆者は皆さんの仮装ハロウィーンのゾンビの様相を呈していました〉(原文ママ)
原爆を投下したのはアメリカであってイスラエルではないのに、「我々は被害者だ」と振りかざすとは……。本サイトで以前も紹介したように、高須は〈ナチスが消滅してもナチスの科学は不滅〉〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉などとナチスを肯定したり歴史修正のツイートを繰り返してきた。だが、ネット上ではこのような人物の主張を「正論すぎる」などともちあげる者が現れるに至っている。
まさに“地獄絵図”と言いたくなる状況だが、多くの人が述べている「悪意はないのに」という意見は、前提としての問題を直視していないものだ。