『何者』(新潮社)
佐藤健、菅田将暉、有村架純、二階堂ふみ、岡田将生、山田孝之といったオールスターキャストで映画化された朝井リョウ原作の『何者』。10月22日放送の『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)で、宇多丸も「こんな体の内側からヒクヒクくるぐらいきちゃったのは結構『クリード チャンプを継ぐ男』以来かもしれない」と絶賛するなど話題を呼んでいる。
そんななか、朝井リョウと映画の監督を務めた三浦大輔による対談で、朝井から驚きの発言が飛び出した。「SPA!」(扶桑社)2016年10月25日号にて、彼はこのように語っている。
「本当は今ももう一度兼業作家に戻りたいんですよ」
周知の通り、朝井は大学在学中の09年に、小説すばる新人賞を受賞した『桐島、部活やめるってよ』(集英社)でデビュー。その後も、『チア男子!!』(集英社)など新作を次々と発表し人気作家の地位を確立するのだが、大学卒業後は専業作家の道を選ばず、大手映画会社の東宝に就職。そして、サラリーマンをしながら執筆した『何者』(新潮社)で13年に直木賞を受賞している。
だが、昨年、約3年務めた末に突然東宝を退社。一転して専業作家の道を歩み出すことになる。退社については、上司や同僚とトラブルがあった説や、売れっ子作家だけに会社から変に気をつかわれて居づらくなった説など、様々な噂が乱れ飛んだ。
しかし、それからわずか1年半。朝井はいったいなぜ、「兼業作家に戻りたい」なんてことを言い出したのか。
東宝は『シン・ゴジラ』『君の名は。』をはじめヒット作連発で絶好調。先日、17年2月期連結決算の業績予想を上方修正し、純利益が前期比27.7%増の330億円で過去最高になるとの景気のいいニュースも報道されたばかりだ。