当然、現地政府はこれに反対しているが、PKOがこれほどの治安権限を得てしまえば内政干渉の色はもはや隠しきれない。そんな混沌のなかで自衛隊が武器使用を認める新たな任務を遂行しようとすれば、反政府軍からも政府軍からも攻撃対象となる可能性はゼロではないだろう。
ところが安倍政権は、ジェバで大規模戦闘が発生した7月以降も、PKO参加五原則には違反していないとの立場を崩さない。そして、自衛隊では先月から「駆けつけ警護」の訓練が開始され、先日の日米防衛相会談でも稲田朋美防衛相が米側にそのことを報告。まさに準備万端、新安保法の“実績作り”のために「駆けつけ警護」をさせたくてたまらない、といった様子なのだ。
誰かが犠牲にならないとわからないのか――。『報ステ』でそうこぼした現役自衛官の声は、安倍政権には届かない。それどころか、連中のやっていることを見ると“早く犠牲になってくれ”という欲望まで見え隠れする。
このまま、わたしたちはただ、自衛隊員の“戦死”するのを傍観することしかできないのか。
(宮島みつや)
最終更新:2017.11.24 07:07