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“奴隷”扱いされるベトナム人留学生たち、偽装留学をネグり外国人をブラック労働に駆り立てる安倍政権の国策が

 日本に留学すればすぐに仕事も見つかる。そう言われていたフーンさんだが、来日直後に“騙された”ことに気づく。日本語学校は当初フーンさんにアルバイトを斡旋しようとしたが、その紹介料として2万円を要求してきたからだ。

 そもそも有料での職業斡旋は違法行為なのだが、学校が留学生の無知につけ込んでの違法行為だ。当初支払いを拒否したフーンさんだが、来日3カ月で所持金がわずか2000円という状況に陥ったことで、学校へ2万円を支払いサンドイッチの製造工場で夜勤のバイトの仕事についた。しかし夜勤とはいえ最低賃金をわずかに上回る時給のため1カ月働いても12万円ほどにしかならない。借金もあり、翌年の学費を貯める必要のあったフーンさんは他に宅配の仕分けのバイトを掛け持ちし、週50時間近く働いた。留学生のアルバイトは週28時間以内とされているが、しかしそれを守る学生もほとんどいないし、学校側も見て見ぬふりだ。

「だが、週6日も夜勤をしていれば勉強に身が入るはずもない。授業中に周りを見ると、クラスメイトの多くが机に突っ伏している。フーンさんと同様、夜勤のアルバイトに精を出しているからだ。しかし、教師や学校側はまったく気にも留めない」

 こうした苛酷なアルバイトの掛け持ちで過労死した留学生もいる。それが15年2月に死亡した岡山市内の日本語学校に通うコン君(享年26歳)だ。コン君はその1年半ほど前に150万円を借金し日本語学校に留学、アルバイトを掛け持ちする生活を送っていた。

「職場となったのがコンビニ弁当の製造工場だ。岡山市内の工場で週2回、加えて週3回は、瀬戸内海を挟んだ先にある香川県の工場まで出向いた。どちらの仕事も夜9時から翌朝6時までの夜勤である」

 香川県の工場へは会社が用意したバスで2時間ほどの往復移動だ。コン君はそれ以外にも仕事があれば3つ目のアルバイトもやっていた。そんなコン君は、友人のアパートで旧正月のお祝いをして寝入った後、そのまま亡くなった。

「コン君の死因について、警察は『突然死』として片づけた。しかし彼は、借金と学費の支払いに追われ、寝る間も惜しんで働いていた。疲労の貯蓄を考えれば、『過労死』だった可能性も否定できない」

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