稲田朋美オフィシャルサイトより
富山市市議の政務活動費不正受給問題が大きな騒動になっている。9月以降、5人の自民会派議員が不正を認めており、今日までに3人が辞職。さらに民進党系会派の幹事長も同様の行為を行っていたとして、辞職を表明した。
その手口の多くは白紙領収書を使うというものだ。たとえば昨日議員辞職した自民党会派の村山栄一元市議の場合、ストックしておいた白紙の領収書に自ら金額を記入していた。5年間で95回の市政報告会を開き、その全てで白紙領収書を使用、不正受給の総額は約469万円にのぼる。
富山市議会自民党幹事長であり前会長の中川勇元市議にいたっては、印刷会社から白紙の領収書を束でもらい、架空請求を繰り返すなどして、合計約695万円を不正計上していたという。
この問題に対しては、テレビや新聞も珍しく厳しい追及の姿勢を見せている。ワイドショーもこぞって取り上げ、出演者らが声を大にして元市議らを批判。たとえば、今日13日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)では、司会の小倉智昭は憤怒の面持ちで「地方議会っていえば、あの、号泣の野々村議員の一件がありましたけど、あれで騒がれている後の話じゃないの、この人たちのって」と語気を強め、コメンテーターも「有り得ないですね」「赤信号みんなで渡れば怖くないっていいますけど、赤信号が悪いってことすら認識としてもちあわせていない」と徹底して糾弾した。『ひるおび!』(TBS系)など他局もほぼ同じ論調で報じていた。
たしかに、富山市市議らの白紙領収書を使った不正は相当に悪質だ。有権者に対する背信行為であることはもちろん、文書偽造という刑法上の犯罪に当たる可能性もあり、メディアが徹底追及するのは当然だ。
しかし、その威勢のいい報道を見ていると一方で、だったらなぜ? という疑問が抑えきれなくなる。
なぜなら、まったく同じ領収書の文書偽造を使った不正であるにもかかわらず、新聞・テレビが一切だんまりを決め込んでいる“政治とカネ”の問題があるからだ。そう、稲田朋美防衛相の白紙領収書をめぐる“巨額不正疑惑”だ。