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山口組分裂から1年、組員アンケートで分かった暴力団の窮状…「もうヤクザでは食えない」の声も

〈自分たちにはなんのアナウンスもないのでなんともいいにくい。毎週ヤクザ記事を載っけてる週刊誌だけは事務所で読むようにしてる〉(六代目山口組組員)

 抗争の渦中にいる当のヤクザ自身ですら、週刊誌から情報を得なければならないほど混沌とした状況がいまでも続いている。今後、事態がどう動いていくのかは神のみぞ知るといったところなのだろう。

 そういった緊迫した状況であるから、当然、警察からの目も厳しくなっている。「山口組の分裂抗争以後、警察の取り締まりは厳しくなりましたか?」という質問には、「はい」が67人、「いいえ」が9人、「どちらともいえない」が22人、「ノーコメント」が2人と答えていた。

 先月10日には、兵庫県警が山口組総本部の向かいに「特別警戒所」を設置。特定の暴力団を監視するための拠点を設ける措置は全国の警察組織でも初めてのことで、このような例をとってみても、約7割の人が「警察の取り締まりは厳しくなった」と答えたのもうなずけるのだが、一方で「ポスト」のアンケートではこのように答えている人もいるようだ。

〈山口組が分裂しなくても取り締まりは年々厳しくなっている。法律はそのままでも解釈を変えて起訴し、有罪になってしまうので打つ手がない〉(西日本独立団体幹部)

 この独立団体幹部が答えている通り、現在のヤクザは今回の分裂云々がなくても、暴対法や暴力団排除条例の煽りを受け年々強くなる世間からの風当たりに苦しんでいた。「ポスト」アンケート内「経済活動(シノギ)は順調ですか?」という質問に対しての、「はい」17人、「いいえ」65人、「どちらともいえない」12人、「ノーコメント」6人という答えがそれを雄弁に物語る。

 周知の通り、現在、暴力団のシノギは厳しい状況にある。繁華街の飲食店からの「みかじめ料」や地上げなどで稼ぐこともできなくなったうえ、銀行に口座をつくることもできなくなり、挙げ句の果てには「密接交際者」となることを嫌がる斎場が会場を貸すことを渋るため組長の葬儀すら行えないといった事態まで起きているという。「ポスト」のアンケートでもこのような回答が掲載されていた。

〈もうヤクザでは食えない。八方塞がり。人間関係を食いつぶしているが、いつまで持つかわからん〉(広域組織組員)

「人間関係を食いつぶしている」とはすごい表現だが、彼らをとりまく状況はそれだけ切迫したものなのだろう。溝口敦氏の『続・暴力団』(新潮社)にはこのようなデータも記されている。

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