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SEALDs解散! 奥田愛基インタビュー「来るべきときに『まだ弾は残ってるがよ』って言えるように」

■「最低限」が守られないギリギリの状況で

──ただ、デモには参加しても、選挙にかかわるのはハードルが高いと感じる市民は少なくないと思います。選挙や政党政治にそこまで期待できるのか?という……。

 政治家や政党に対して、「がっかりするようなこと言わないでくれよ」というのはありますよね。基本的にはぼくも冷笑なんで(笑)、距離感をもっているところがあります。政治に過剰に期待するのはよくないっていうか、選挙のときも「入れないより入れたほうがいいな」みたいな消極的な姿勢で投票する部分もある。
 ただ、「こっちの人もあっちの人もなんだかなあ」って思ってる間に、政治は進んでいく。そう考えたら、よりマシなほうに少しでも動くしかない。みんなから「この候補者いいよね」って言われるような人が出てきてほしいと、正直思いますよ。政治家に「ほんとに尊敬してます」みたいなこと、一度は言ってみたいとも思う(笑)。でも、「投票したいと思う政治家がいない」と話す人は多いけれど、さっきも言ったように自分の考えと100パーセント一致する政治家なんているわけがない。だから、よりマシなほうに投票することや、「こういう問題もあるよ」と政治家に声をあげていったりすることで、よりよくしていくしかない。

──「どっちもどっち」で終わらせないということですね。全然、「基本的に冷笑系」とは思えないですけど……。

 いや、がんばってる人を見ると難癖つけたがる中学・高校時代を過ごしまして。国連とかユニセフとか見て「ケッ」って言うみたいな。

──(笑)。国連とかユニセフの何に「ケッ」って?

 社会科の授業なんかでユニセフとかが出てきて、「困ってる子たちが世界中にはたくさんいます」みたいな説明がありますよね。そういうときに「困ってる人は日本にもいるだろ」とか「そんなことしても何も変わんねーよ」と毒づいていたというか。だって、国際機関だとか政治家だとかがどんながんばっても自殺する人は変わらないだろうし、いまある悩みは解決しない。どんなに良い制度ができても、救われない人はずっと救われないから……っていうような具合で何かしら文句をつけていた(笑)。お金の回り方とか、キャンペーンの仕方とか調べたらいくらでも批判できますからね。
 それが震災以降は、「最低限のことが大事じゃん」と思うようになった。だって、ユニセフが「飢え死にするのは、ある程度しようがない」とか「肌の色で助ける対象変えます」みたいなこと言い出したら、それはすごくヤバいから。
 でも、日本でいま起こっていることって、そういうことじゃないですか。政治家が真面目に「シナと戦争して勝つ」みたいなこと言い出すし、ポジティブに集団的自衛権のことを「積極的平和主義」とか言うのは、やっぱりこわい。
 そう考えると、政治家は嘘でもいいから「戦争反対」って言ってたほうがいい。政治で全部が救われるとは思わないけど、「最低限」を守ってくれたら、まだずっとましな世の中だと。そういう感覚がもてるようになって、やっと「人助けする人たちがこの世界にいてくれてよかった。いいことやってんじゃん」って思えるようになったんです(笑)。

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