この発言を受けて山田氏はこのように書いている。
〈犯罪にあたる行為が描かれた創作物を規制せよと言うのであれば、こうしたマンガだって問題視されなければおかしいはずです。『ゴルゴ13』は殺し屋が主人公の作品であり、『島耕作』は不倫を繰り返すサラリーマンの話で、『沈黙の艦隊』にいたっては原子力潜水艦と核兵器で武装したテロリストの話なのですから。
結局のところ、自分の好きなものは規制する必要はない、自分が嫌いなものは規制せよ、と言っているに過ぎないのです〉
小池氏が簡単に言う「その中には、あまりにも目に余るものがあることは事実」は、こういった発想と地続きにある。
では、なぜ小池氏は急に「コミケを応援します!」などと口にしはじめたのか。それは、先の参議院選で「表現の自由を守る」を公約として掲げた山田太郎氏が全国比例で29万票をとったことから、オタクが票田となると認識したからに他ならない(皮肉にも、リテラシーの高いオタク層からは一瞬でその真意が見抜かれてしまったが)。
当サイトでは、小池百合子氏の本性は、人種差別的な極右ヘイトであり、「女性知事」ということでしきりにアピールしている待機児童に関する政策なども単なる見せかけでしかないことを紹介し続けてきた。
もともと数年前から、2020年の東京オリンピックを機に大幅な表現規制が起き、とくに、コンビニに置かれている成人誌は一掃されるのではないかとの危惧が噂されてきている。もしも小池氏が都知事になれば、まずは反対意見の出にくい性表現から規制をかけ、いずれは政権批判などにもその規制を拡大していってもなんら不思議ではない。そんな世界を望むのかどうか、よく考えてから投票所へ向かっていただきたい。
(新田 樹)
最終更新:2016.07.25 06:07