しかし、現在のテレビ業界にはそうした常識さえないらしい。かつて問題を起こした人物を下請けとして雇い、しかも今回の問題でも局側がそれをかばうような態度もあったという。その背景にはテレビ業界の下請けや癒着問題が指摘されているが、そもそも視聴率のためなら「何でもあり」というテレビ業界全体の体質が露呈したものだといえよう。
池袋氏が今回告発した「ヤラセ事件」はおそらく氷山の一角だろう。今回の池袋氏や『ほこ×たて』の広坂正美氏といった告発者は比較的テレビ業界とのしがらみが少ない人物だ。しかし、これがもしプロダクションに所属する芸能人だとしたら、おそらく内々に処理するか泣き寝入りするしかないからだ。
今回の謝罪について池袋氏は「以前から番組制作スタッフに『まず、番組ホームページとSNS、および、次回の放送で謝罪文と訂正を出しください。話し合いはそれが終わってから』と提案してきました。ですから今回の謝罪でようやくスタートラインに立てたのかなと思っています」と一定の評価をしながらも、まだ終わったわけではないとしている。
確かにTBSは謝罪はしたものの「ヤラセ」「ねつ造」を認めることなく、「行き過ぎた演出」などという言葉で未だ問題を矮小化しようとている。そうした体質が改善されない限り、今後も同じような事態が繰り返されることは間違いないだろう。
(編集部)
最終更新:2016.07.06 10:32