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北海道の男児行方不明で「父親の殺人」のデマ…寝屋川の事件でも見せたネットとマスコミの醜悪な“子殺し事件化”願望

「事件に急展開!!! 父・母・姉の口裏合わせが完全崩壊!!! ついに秘密の暴露キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ○○逮捕に向けて一気に流れが変わったぞ!!!」
「インタビュー中の父親の目がヤバイwwwwww 2ch「目は正直だなおい」「これはもうダメかもわからんね」」
「北海道警察が父親をロックオンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 今後の捜索方法を道警が発表!!!! 父親完全終了wwwww」

 いうまでもなく、これらは2ちゃんねる等の根拠のない書き込みを誇大化してタイトルにした“釣り”である。しかし、こういった悪質まとめサイトの動きと、道警、消防、自衛隊による大規模捜索に進展がなかったことも重なり、ネット上ではどんどん「父親による計画殺人」「母親も姉もグル」などという与太話が、あたかも事実のごとく流布されていったのだ。

 素人の探偵気取りに悪質まとめサイトの煽り……はほとほと嫌気がさすが、しかも、こうしたネットの声にひきずられるかたちで、ワイドショーのコメンテーターや週刊誌の一部までもが、父親が証言を翻したことなどに疑問を呈し、殺人事件を匂わせるようなことを言い出す始末だった。

 だが、実際には、事件発生から早い段階で、現場の記者たちの間では「殺人の線はない」という認識でほぼ一致していたという。

「道警は保護責任者遺棄容疑の可能性もあるとして、両親や姉を事情聴取していましたが、矛盾点はなかった。だいたい、もしも殺人ならば、男児の行方が分からなくなってからすぐに現場で捜索願を出すのは不自然でしょう。そういうことから、第三者の介入の可能性はともかくとしても、当局が家族による殺人の線を考えていないのは捜査関係者の話からも明らかでした」(全国紙社会部記者)

 ようするに、取材のイロハも知らないネット民や一部のメディアが、勝手に妄想を働かせ、「親が殺した」と決めつけていた、というわけである。

 しかし、これは決して笑い事ではない。子どもが行方不明になって不安と動揺に包まれている一般市民を犯罪者呼ばわりして、攻撃するというのは、明らかに人権侵害だ。

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