また、山口は前述した「FRaU」のインタビューにおいても、「私はずっと、『親』というものになりたくないと思って育ちました。私は、『子供のいる人生』とは違う人生を歩みたいなと。だからこそ、血の繋がりはなくとも、伴侶という人生のパートナーを強く求めていました」と話していた。
血縁は絶対なものではない。親との関係に悩む人にとっては、これもまた気持ちを楽にしてくれる大きなメッセージとなったと思うが、山口はこうも述べている。
「人間、最終的にはたった一人でも、スックと大地に立って、美しく完結できるかが、一生を懸けた勝負だと思っています」(前述「AERA」インタビューより)
山口のように最良のパートナーを得て人生をともに歩む道もあれば、結婚を選ばず、ひとりで進むことにも幸福のかたちはあるはずだと、山口のメッセージからは感じられる。
世間が押し付けようとする価値観から外れ、自分の脇汗やセックスレスの問題にも忌憚なく発言し、視聴者目線で社会や人生を語る有働の姿勢は、ある意味、とても“美しい”ものだ。山口と同じように、女性には多様な生き方があっていいのだということを、有働には伝えていってほしいと思う。
(田岡 尼)
最終更新:2018.10.18 01:56