東京五輪招致の裏金をめぐる、疑惑の人物と電通との衝撃的な関係。
だが、電通に重大疑惑が浮上しているにもかかわらず、国内メディアはこれに一切触れていない。
その理由はもちろん電通がマスコミ最大のタブーだからだ。広告収入に大きく依存するテレビ局はもちろん、あらゆる新聞、テレビ、雑誌などのメディアにとって、アンタッチャブルな存在であることは、今さら言うまでもないだろう。
前述のとおり、そもそも電通は招致活動から東京五輪に食い込み、東京五輪のマーケティング専任代理店として、あらゆるマーケティングや広告利権をすべて掌握している。たとえば、昨年浮上した佐野研二郎氏デザインの五輪エンブレム「盗用」問題では、電通から審査委員として出向した2名が、佐野氏の原案についてほかの審査委員の同意を得ずに、2度の修正を主導していたことも判明している。だが、このときも、マスコミは電通の責任追及に及び腰だった。
そして今回の、東京五輪招致の裏金と電通の関与疑惑も、大マスコミはそろいもそろって口をつぐんでいるわけだ。電通タブーを抱えた国内メディアが、今後この疑惑を追及することはできるのだろうか、メディアの動きも注視していきたい。
(宮島みつや)
最終更新:2016.05.13 01:48