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NHKの「憲法記念日」報道がヒドすぎる!「改憲反対」が増加した世論を無視し改憲派の盛り上がりだけを強調

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NHK『クローズアップ現代+』番組公式サイトより


 本サイトでもすでにお伝えしたように、NHKの最新世論調査で、憲法改正について「改正する必要があると思う」が27%、「改正する必要はないと思う」が31%という数字が出た。これは過去5回行われた同様の調査のなかでも、「改正の必要なし」の回答がもっとも多く、「改正の必要あり」の回答がもっとも少ない結果となった。

 9条改正も「必要ある」が22%だったことに対して「必要なし」が40%、「集団的自衛権行使可能」も「賛成」25%、「反対」27%と、どちらも改憲必要なし、安保法も反対が上回っていることを示した。とくに「立憲主義を重視すべきか」という問いには、「重視すべき」69%、「重視する必要ない」12%という結果が出ており、国民が安保法成立に際して立憲主義を無視した安倍政権に不信感を募らせているかがよくわかるものだった。

 朝日・毎日新聞、共同通信社でも改憲については同じ傾向が出ていることからも明らかなように、安倍首相が改憲に意欲を示していることに対し、多くの国民が危機感を覚えているのだ。

 ところが、そのNHKの憲法記念日前夜と当日の報道は、こうした民意とはまったくかけ離れたものだった。それも、国民の改憲への危機感が高まっていることを無視したというようなレベルではない。護憲、改憲を公平に扱うことすらせず、明らかに改憲が盛り上がっているかのような誘導を行ったのだ。

 たとえば、5月2日の『ニュース7』と『ニュースウオッチ9』(以下『NW9』)では、一応、この世論調査結果を伝えていた。しかし、そのあと“この結果を専門家はどう見るのか”とナレーションが入るのだが、最初に登場したのは「改憲に向け議論を」と訴える、改憲派の憲法学者である井上武史九州大学准教授だったのだ。

 井上准教授は、安保法を違憲ではないとした数少ない憲法学者のひとりだが、この日も、「70年間憲法が変わっていないということは70年間の社会の変化を憲法がまったくとらえてないということ」「誰が読んでもわかるかたちに変えるのは立憲主義の観点からも望まれる」と解説。つづけて、「いまは改憲すべきではない」という立場をとる石川健治東京大学教授のVTRが流れた。

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