SMAPというグループは自分たちが「国民的アイドル」であるという自覚を強く持っており、こうした大災害には積極的にコミットし、被災者を勇気づける活動に率先して取り組んできた。
たとえば、2011年の東日本大震災の際は、震災後初の放送となる3月21日の『SMAP×SMAP』(フジテレビ)で、「いま僕たちに何ができるだろう」と題して生放送を決行。視聴者からFAXを募集し、いま、みんなができる支援のあり方をSMAPメンバーがフリートークで語り合うという、画期的な番組作りを行った。
ところが、今回はそういった動きがまったくないのだ。先週、18日の放送では、上戸彩をゲストに迎えたいつもの通りの「ビストロSMAP」と新企画のマジックのコーナー、いきものがかり出演の歌のコーナーという通常運転。熊本大地震については、番組最後の東日本大震災の支援金受付メッセージに続いてテロップが流れただけだった。
それでも、この時はまだ、最初の大地震発生から4日ということで、準備が間に合わなかった可能性もある、もしかしたら来週はやるかも、と淡い期待を抱いていた。
しかし、昨日の放送も同じだった。番組最後の東日本大震災の支援金受付メッセージのときに、かろうじて、中居が「この度の『平成28年熊本地震』により被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます」というメッセージを発したものの、震災に触れたのはそれだけ。
番組のほとんどは、「復活!境界線クイズ」と称する、別の番組の昔の企画を復活させたクイズ。しかも、こんなどうでもいい企画のために、MCの草なぎ剛、香取慎吾、稲垣吾郎の3人が朝から、フジテレビの情報番組を片っぱしから回り、番宣にいそしむ始末だった。
これが、あのSMAPが今、やるべきことなのか。東日本大震災のときに「偽善と思われても、SMAPがいまやること、役割っていうのを考えた」「ひとりでも多くの人が困っている人を助けたい」と言って生放送を決行したあの姿勢はどこへいってしまったのか。