しかし、赤枝議員の見識を疑わざるを得ない話は、これだけではない。そのひとつが、維新の党(当時)から除名処分を受けた上西小百合議員の「国会サボリ問題」であきらかになった赤枝議員の問題だ。
じつは、上西議員が国会を病欠した翌日に男性秘書と旅行に出かけていたと騒動になった際、上西議員は病欠前夜にも「自民党の先輩議員」とショーパブをハシゴしていたことが問題となった。その先輩議員というのが、赤枝議員だったのだ。
しかも、この夜、上西議員には「ウイルス性胃腸炎」という診断書が出ているのだが、上西議員は「(赤枝議員から)上西さんと親しいと言ったら、店の経営者が会いたいと希望しているのでついてきてほしい」と懇願され、ショーパブに行ったと述べている。一部では、「赤枝議員が診断書作成にも関わっているのでは?」と憶測を呼んだが、体調不良を訴えている人間を医師がショーパブに連れ出すこと自体、理解に苦しむ。
さらに赤枝議員は、この騒動以前にも問題になっている。それは、昨年3月に自民党の中川郁子・農水政務官と同じ自民党の門博文衆院議員の「不倫路チュー」を「週刊新潮」(新潮社)がスクープしたときのこと。中川議員は「週刊新潮」が発売されると、雲隠れするように大学病院へ入院したが、そのときに病院側へ入院を頼み込んだのが赤枝議員だったというのだ。
中川議員は入院中、病院のルールを破って病室で喫煙していたことが報じられると、これを事実と認め陳謝しているが、この一件からも中川議員がほんとうに入院するほどの急病患者だったとは、とても思えない。
また、じつは赤枝議員は08年に亡くなったタレント飯島愛氏の主治医でもあったのだが、死から2年後、赤枝議員は女性週刊誌やテレビの取材を受け、彼女が睡眠導入剤を服用していたことなどを明かしており、このときも「医師には患者の守秘義務があるのでは?」と非難を浴びている。
こうして疑惑や問題発言を挙げていくと、赤枝氏が議員としても、医師としても問題を感じずにはいられない人物だということがおわかりいただけただろう。だが、やはりと言うべきか、今回の「女の子は進学してもキャバクラに行く」という暴言も、ニュースでの扱いは小さく、取り上げない新聞、テレビ番組ばかり。こうして、どれだけ自民党、安倍政権が本質を露わにしても、問題がスルーされていってしまうのだ。
しかし、すべての女性や、経済的に厳しい家庭環境のなかで進学を望む学生たちを蔑ろにした赤枝議員のこの発言は、絶対に許されるべきものではない。野党は今後、徹底的に追及してほしいと思う。
(水井多賀子)
最終更新:2016.04.13 09:49