このジャニーズ関係者は、静香がいかに飯島マネージャーを嫌っていたかを物語る、あるエピソードを教えてくれた。それは、木村と静香の第一子が生まれた時のことだ。
「飯島さんは真っ先に病院へ駆けつけたんですが、静香から会うのを拒否されたんです。飯島さんは木村さんの子どもに会うのをすごく楽しみにしていたようで、ことあるごとに『子どもに会ってみたい』と言っていた。しかし工藤はなかなか会わせようとしなかった。2年くらい経ってからかな、飯島さんが『この前やっと拓哉の子どもを抱っこさせてもらえたの、すごく可愛い子なのよ~』とうれしそうに語っているのを聞いて、飯島さんのことがちょっと気の毒になったほどです」
こうした静香の飯島敵視の姿勢が、キムタクにも影響を与えていたのは明らかだろう。
というのも、キムタクはもともとSMAPメンバーの中でももっとも飯島マネージャーと信頼関係が深かったからだ。
かつて、キムタクは飯島マネージャーのことを「ミッチー」と呼ぶほど仲がよく、飯島の手腕に絶大な信頼を寄せていた。さらに、「ひと言いえば、すぐにそれを実行してくれる。自分の考えていることを理解してくれる凄い人」とも公言し、96年、ラジオ番組で森且行のSMAP脱退時のエピソードを語ったときは、飯島氏をこう絶賛したこともある。
「この人やっぱすげぇなぁって思ったのは、森がバイクの世界に行くってなったときに良き理解者だったこと。アドバイスしてあげたりしてて、この関係性って羨ましいなって、僕から見ても思いましたね」
実際、飯島マネージャーのほうもキムタクをいちばん大事にしていた。ドラマの仕事では、ほかのメンバー以上に設定や脚本はもちろん、相手役、脇役選びにも徹底的にこだわり、主役級や一流どころを集めていた。キムタク主演のドラマでは主題歌もタイアップでSMAPの曲を使ったことは一度もなく、久保田利伸、B'z、宇多田ヒカル、山下達郎、エルビス・コステロなど、ほかのメンバーのドラマとはちがうプレミア感を出そうとした。映画主演作も、ほかのメンバーがとちがって、ウォン・カーウァイ監督の映画でデビューさせ、2作目も山田洋次と、超一流の監督と組ませた。
ところが、そんなに大事にされ、信頼関係を築いていたキムタクが静香と結婚して以降、徐々に飯島氏と距離を取り始め、飯島マネージャーが独立の動きを見せた今回、「揉めているのは、飯島さんと事務所、巻き込まないでほしい」「飯島さんだけ辞めればいい」と言い放ったのである。
実は飯島マネージャーが独立をあきらめたのは、引受先に「キムタクが来ないなら受け入れられない」と拒否されたからでなく、キムタクに裏切られて、心が折れてしまったからだという見方もある。