TBS『ひるおび!』出演時の田崎史郎氏(16年12月27日放送より)
またこの人か──。安倍応援団として名高い時事通信社解説委員の田崎史郎氏のことだ。
昨日15日放送の『ひるおび!』(TBS)で、「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログに端を発した待機児童問題の話題になった際、コメンテーターとして出演した田崎氏は、こんな“トンデモ発言”を繰り出した。
「気をつけなければいけないのは、これいま、政府が真剣に調べているんですね。東京都の(待機児童は)7814人ですか。そのうちの3割の方々は保育園の第1希望しか書いてないんですね。で、第2、第3、第4、第5……とやっていくわけですけども、その第1希望になぜ集中しているかというと、いい小学校に入れるためにはいい幼稚園、その前にいい保育園に入れなければいけない、その人気の保育園に集中していて、そこに入ろうとすると結果的に待機児童になってしまうと。という面もあるんですね」
いったい何を言っているんだろうか、この人は。というか、何から何までトンデモすぎる。「入園希望者の3割が第一希望しか記入していない」のが事実だとしても、そもそも7割は、複数を希望しても入園できていないのだ。また、第一希望しか書いていない人たちにしてもそれは自宅と保育園の距離の関係で、最寄りの一箇所以外には事実上通園が不可能なケースがあるためで、有名小学校のお受験とは何の関係もない。田崎氏は保育園不足をお受験問題と意図的に混同し、すりかえているのだ。
田崎氏は「保育園落ちた」の現実がどういうものなのか、わかっているのか。愛知県名古屋市の40代のパート女性のこんなケースが、東京新聞で報じられている。
〈娘が七カ月のころからパートで働いていたが、常勤にしようと、昨年十月、区に入園を申し込んだ。申込書には、第一希望から第六希望まで園名を書けるが、書き入れたのは近所の一園のみ。申し込みの際、「昨年の状況からすると、入園できると思いますよ」と区役所の担当者から説明されたためだ。
しかし、年明けに入園できないことを知らせる通知が来て、がくぜんとした。仕事の予定は変えられないため、週四日の時短勤務に変更。子どもは車で三十分ほど離れた認可保育園の一時保育に週三日預け、一日は母に来てもらっている。〉(東京新聞2015年12月18日付)