しかも、取材者から「“明日へ”向けて前を向くことの大切さとは?」と尋ねられると、中居はまたしても含みのある返答をする。
「前だけ見ることが必ずしも正解だとは限らないし、かといって振り返ったところで、戻ることのない過去なわけですから」
『SMAP×SMAP』(フジテレビ)での生謝罪でキムタクが二度繰り返した「ただ前を見て」という言葉とは、対照的な中居の返答。「もう元通りにはならない」という言葉にくわえて、この「戻ることのない過去」という言い切り方……。頭のいい中居なら自分の言葉がどのように受け止められるかは承知のはず。その上でこうして話しているということは、“SMAPはもう何もなかった昔のようには戻れない”と心境を吐露しているようにも思えるのだ。
さらに、中居はつづけて「今立っている場所が歪んできたり濁っていたりするならば、今まで歩いてきた足跡をしっかり見直して、“もうちょっとこうすれば良かったな”って、学ぶことも大事だなって思います」と話している。たしかに、きょうのコンサートにしても、『SMAP×SMAP』にしても、視聴者は5人の姿からギスギスした空気をどうしても感じ取ってしまうが、そうしたSMAPに流れる不協和音を、中居は「歪み」や「濁り」と表現したのではないだろうか。
中居はこのように直接的ではないものの、それとなしに由ありげな話をしてきた。たとえば、1月9日に放送された『人志松本のすべらない話』(フジテレビ)では、ジャニー喜多川氏の誕生会で上座に座って生意気な口を聞く少年が、じつは近藤真彦の息子だった……というジャニーズタブーにふれる危ない話を披露。これはたんなる笑い話などではなく、独立騒動の渦中にあった中居がジャニーズを批判的に捉えており、そのため話として取り上げたということがいまとなってはわかる(実際、スポーツ紙はこの話で中居がMVS=Most Valuable すべらない話に輝いたことを伝えたものの、ジャニーズに気を遣って内容に触れなかった)。
今回、中居が語った「もう元通りにはならない」という示唆的な言葉。SMAPに生まれてしまった「歪み」や「濁り」を取り除くことは、やはり難しいのだろう。
(大方 草)
最終更新:2017.11.24 08:36