こういった活動を先陣切って行ってきた加藤氏は、昨年、安保法制をめぐって盛り上がった国会前デモに関して、こんな言葉を語ってくれた。
加藤「なんでみんな行かないのかなと思います。単純に、行ったほうが絶対に面白いじゃないですか? 『なんか盛り上がってるから行ってみよう』とか、そういう動機でいいと思うんです。賛成か反対かはそのあと考えればいいわけで、行ってもないのにああだこうだ言うのはつまんないですよね。こういうお店もそうだし、雑誌もネットもそうだけど、好奇心が一番大事」
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さて、ロフトプラスワン20年の間に起きたトラブルを一気に紹介したが、いかがだっただろうか。
そもそも、ロフトプラスワンが始まったコンセプトは「居酒屋の中で一番面白い話をしているテーブルにマイクを置いて、それでまわりの人たちを巻き込もう」というものだった。主義主張も、会話の内容もなんでもいい。ただとにかく嘘はつかず思っていることを議論し合おう、というのが原則だった。
ご存知の通り、ここ数年この国では、テレビ・新聞・出版、どのメディアも自由な発言や表現を規制されるような動きが顕著になりつつある。そんななか、ロフトプラスワンのように「タブーなし」で話ができる空間は大変に貴重なものとなりつつある。まるで奇跡のようなこの空間がさらに10年、20年と続いていくことを願ってやまない。
(インタビュー・構成/新田 樹)
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Profile
新宿ロフトプラスワンは95年新宿区富久町にオープン。98年から歌舞伎町の今の場所に移転した。現在は新宿区百人町にNaked Loft、阿佐ヶ谷にAsagaya/Loft A、また、大阪にはLoft PlusOne Westと、続々と姉妹店となるトークライブハウスをオープンさせている。スケジュールなどの詳細はホームページを確認。また、最近ではトークライブハウスを飛び出し、「ロフトラジオ」というインターネットラジオ局も立ち上げている。こちらも詳細はホームページをチェック。
最終更新:2017.11.24 08:03