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『NEWS23』攻撃の呼びかけ人、ケント・ギルバートをTBS、NHKがコメンテーターに起用! 安倍別働隊に屈服するテレビ局

 日本ではネトウヨ丸出しのギルバート氏がトランプ嫌いとは意外だが、しかし、これ「視聴者の会」的に言うと、立派な政治的偏向発言ではないだろうか。それとも、ギルバート氏は日本人に政治的発言は許されないが、アメリカ人はOKとでも考えているのだろうか。

 それはともかく、TBSはこの程度のヨタ話しかできない人物をわざわざコメンテーターに起用したのだ。

 しかも、ギルバート氏を起用したテレビ局はTBSだけではなかった。同氏は2月28日には、NHKの『日曜討論』にも登場。やはり大統領選について、とくとくと意見を述べている。ちなみに、この番組では司会の島田敏男・NHK解説委員から共和党支持者がオバマを嫌う一番の共通する原因は?と尋ねられ、「一番の原因は、人種問題とは言いたくないですけど、ないとは言えない」と、共和党支持者である自らの差別性を認めるような発言を行っていた。

 米大統領選を論じることのできるコメンテーターなんていくらでもいるのに、TBS、さらにはNHKまでがこんな人物を起用するというのは、やはり視聴者の会へのご機嫌取りとしか考えられない。呼びかけ人を出すことで、安倍政権の別働隊としてテレビ局に圧力をかけてくる団体に、なんとかお目こぼしをしてもらう。そんな意図があったと勘ぐられても仕方がないだろう。

 一方、ギルバート氏の倫理観も甚だおかしい。もし本気でテレビ局を監視・糾弾しようというなら、その監視対象とは距離をおかなければならないはずだ。なのに、糾弾した局の番組に平気で出演して出演料をもらう。これでは企業を脅して金をとる総会屋と変わりがないではないか。

 政治学者の中野晃一・上智大学教授は、『NEWS23』の岸井氏降板問題をめぐって、メディアは気づかないうちに「すーっと静かに右にずれていく」と指摘していた(「週刊金曜日」金曜日/15年12月25日・1月1日合併号)。

 しかし、このギルバート氏の起用を見ていると、テレビの権力への屈服、右傾化は「すーっと静かに」ではなく、露骨に凄まじい速さで進んでいると言わざるをえない。この調子だと、どこのチャンネルに合わせても、安倍政権の応援団だらけという悪夢のような状況が現実になる日も近いだろう。
(田部祥太)

最終更新:2017.11.24 07:51

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