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小泉今日子特集の雑誌がバカ売れ! 理由は“芸能界のドン”インタビュー…「他の子は性格悪いけど今日子はいい」発言も

 というのも、事務所を通さないで仕事を進めるというのは芸能界においてもっとも重大なルール違反であり、その後の取引を一切中止してもおかしくないトラブルだからだ。とくに“所属事務所への裏切り、造反は許さない”という姿勢を貫く周防氏にとっては、絶対に許せない問題だったはずだ。普通なら小泉も久世も芸能界から追放されていてもおかしくない話だが、しかし、そうしないほど周防氏は小泉を宝のように特別に扱っていたのだろう。そしてその後も、『花嫁人形は眠らない』(TBS系)、『センセイの鞄』(WOWOW)と、小泉は定期的に久世演出作品に出演することになる。

 このように小泉が事務所を通さずに勝手に物事を進めるのは、実は久世との一件だけではない。もともと聖子ちゃんカットでデビューした彼女が、事務所に無断で髪を切ってショートカットにしたエピソードは有名だが、事務所スタッフから大目玉を食らっても不思議ではないこの一件に関しても、周防氏はあっけらかんと語る。

〈そういうのは全部、本人がやりたくてやったことなんだよ。刈り上げにするときも、僕にはなんの相談もなかったしさ(笑)。でもねぇ、それがピッタリ似合うんだよね。(中略)もともと彼女に才能があったんでしょうね。事務所は何もしてないの。彼女に関しては、僕は何も能書きを言えないんだよね(笑)〉

 彼女がやりたいと言ったものはやらせる。その一例が、91年にリリースされた小泉今日子作詞のシングル「あなたに会えてよかった」だ。発売前、この曲を聴いた周防氏は「こんなの売れるわけねぇだろう」「(売れたら)なんでも言うこと聞いてやるよ」と一顧だにしなかったのだが、結果は小泉の読みが当たり、105万枚以上売り上げる大ヒット曲に。小泉の自己プロデュース能力の高さが数字として証明された格好だが、だからこそ周防氏は目を細めるかのようにこう語るのだ。

〈ほとんど今日子本人がやりたいようにやってるけど、彼女がやることなすこと、なんか納得しちゃうんだよね〉

 あの「芸能界のドン」に、「なんか納得しちゃうんだよね」と言わせてしまう……。すべてを黙らせてしまうキョンキョンの実力には思わず震えてしまうが、当然ながら久世氏の一件で問題になったはずの事務所を通さない仕事も、その後、小泉今日子は継続して受けていく。しかしなぜ、彼女だけは“特別”なのか──その理由は、周防氏が重要視する“義理”を小泉が守っているからだろう。

〈彼女の素晴らしいところはね、デビューして人気が出始めた頃に彼女を認めてくれたアシスタント・プロデューサーとかディレクターからの、『私が、僕が、一本立ちしたときは、小泉さん協力してね』なんていう約束を、今でもちゃ〜んと守ってるところ。だから、事務所も知らないところで1シーンだけ出てる作品がいっぱいあるんだよ(笑)。その義理堅さは半端じゃないよね〉

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