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「ネット上に流した情報は永遠に残る」は本当? サイト管理者が亡くなってしまった「故人サイト」は、その後どうなってしまうのか

 炎上発生後、ある時期までは夫が荒らしのコメントをひとつひとつ削除していたようだが、途中から嫌気が差してしまったのか、現在でも荒らしのコメントはいくつか残ってしまっている。また、これによってアクセス数が上がったため、スパム業者からのターゲットになってしまい、現在のコメント欄には卑猥な荒らしの書き込みも散見される。おそらく彼はもう「墓守」の役割は降りてしまっているのだろう。それらスパム広告も残されたままだ。

 サイト管理者が亡くなった後も、サイトを残し続けるのは容易いことではない。昨年の10月末をもって、2008年に亡くなった飯島愛さんのブログ「飯島愛のポルノ・ホスピタル」が閉鎖されたことが話題になったが、これは、彼女の死後もブログの管理を続けていた飯島さんのご両親が高齢になり、サイトの管理が難しくなってきたことが理由であった。

「飯島愛のポルノ・ホスピタル」は、死後に最後の投稿のコメント欄が「モニュメント」のような存在になった稀有なブログとして有名だ。そこには、追悼のコメントのみならず、閲覧者が天国の彼女に人生相談を投げかけるような文章など、閉鎖直前は7万2000件ものコメントが集まった。このようなブログになったのは、コメント監視を続けていたアメーバブログのスタッフとご両親の力が大きい。お墓の管理には、雑草を抜いたり、供花を差し替えたりといった作業が必要なように、サイトの管理にも汗をかくことが必要なのだ。そして、それ次第によっては、そのサイトは「モニュメント」のように人の集まる場になることができるという好例である。

 そのように「残り続ける」サイトは、なにも有名人のものだけではない。市井の人のサイトでも同じである。その例が「ワイルズの闘病記」というブログだ。これは、急性リンパ性白血病を患ったワイルズさんが、病との戦いを淡々と綴ったもの。残念ながら、ワイルズさんは若くして亡くなってしまうのだが、その後、ワイルズさんの父が息子との思い出を綴るなど、サイト管理とともに投稿も継続。その父が脳出血で病に臥せったあとは、ワイルズさんの母が管理を引き継ぎ、いまでも命日には近況や亡き息子への思いを綴り、閲覧者とのコミュニケーションも続けている。

 これには、〈ワイルズ両親として、ワイルズが闘病中経験したことが少しでもこのブログを見た方、闘病されている方のお役にたってもらえたらと思います〉というご両親の思い、そして、ブログにも公開されているワイルズさんの遺書に綴られた、ワイルズさんの思いがある。ワイルズさんは遺書のなかでこのような言葉を書き記している。

〈おそらく、私の死は後続の者達に、何らかの波紋として伝わると思います。私の意志は、級友、そして後輩へと。語ってください。「死」について、今の教育では全く理解できないまま、多くの子供が成人していってしまいます。「死」は特別なことでも、恐れるべきことでも、辛いことでも、苦しいことでもない、ということを、教えて欲しいのです。かつて、笑いながら自分の葬儀を指示し、遺書を書いた子供がいたことを、知って欲しいのです。最後になりますが、本当に今までありがとうございました〉

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