『故人サイト 亡くなった人が残していったホームページ達』(社会評論社)
「インターネット上に流した情報は永遠に残り続ける」
インターネット上に流れた書き込み、個人情報、写真などは、いったん拡散されてしまうと、後から消すことは困難を極める。近年は「デジタルタトゥー」という用語も一般に普及するようになり、本稿冒頭にあげたような言葉が盛んに用いられている。
ただ、この「インターネット上に流した情報は永遠に残り続ける」という考え方、実は、半分は正しいが、半分は誤りだ。確かに、「バイトテロ」や「ハメ撮り」のような不用意に撮った(撮らせてしまった)写真などは、拡散に拡散を重ね、長い期間ネット上に残り続けてしまうかもしれない。
しかし、あなたがいま一生懸命書いているブログなどは、もしもあなたが死んでしまったら、数年で消えてしまうか、もしくは卑猥な言葉などが書き連なるスパム広告で汚れてしまうかもしれない。それがどんなに良い内容のブログであろうとも……。
墓守がいなければお墓は雑草まみれになって荒れ果て、やがては朽ち果ててしまうように、サイトも放置され誰も管理する人がいなければ同じような状態になってしまうのだ。
管理者が亡くなってしまったサイトというのはその後どのような道をたどるのか。管理者が故人となってしまっている103ものサイトを紹介し、各々のサイトの成り立ちや経緯などをまとめた労作『故人サイト 亡くなった人が残していったホームページ達』(古田雄介/社会評論社)には、管理者がいなくなってしまったサイトはどのような運命をたどるのかが解説されている。