「歴史を学び未来を考える本部」は同本部としての報告書を発表するものではなく、あくまで歴史の学習のための集いだという。あからさまに同本部の見解を発表すれば、中韓だけでなく米国からも批判がまきおこるだろうことは、さすがに稲田たちも自覚している。
安倍や稲田が見据えているのは、それこそ「未来」だ。ここで話し合われた歴史修正主義をさまざまな層に浸透させ、さまざまなチャンネルを通じてそれとは知られぬままに広めていくこと。明らかにメディア戦略として位置づけられている。
だからこそ、自民党と稲田は脇の甘い売れっ子社会学者をこの組織に引き込んだのだろう。古市はこのまま、極右政権の御用学者になってしまうのだろうか。いずれにせよ、当面のあいだわれわれは、「気鋭の社会学者」の動きに注意しておかなければならないだろう。
(小杉みすず)
最終更新:2016.01.06 07:49