本来であれば、1年前に発表され今年のうちに行われるはずだった高橋みなみ卒業の大規模コンサートも、グダグダのうちに来年3月まで順延。12月20日現在、いまだにどこの会場でコンサートが行われるかも発表されていない。今年で10周年を迎えるAKB48。本来であれば12月に行われるはずだったコンサートで、高橋みなみの卒業とともに、AKB10周年を大々的に言祝ぐ演出の公演が行われる予定だったのだろうが、それができなかったのは、現在のAKBでは東京ドームなどの大規模会場を埋める集客力が望めないことも一因となっているのではないか。
以上あげてきたような危機的状況は、AKB本店のみならず、名古屋・大阪・博多にある姉妹グループにおいても同じである。そのなかでも特に厳しいのが名古屋のSKE48だ。
総選挙になると数多くのメンバーがランクインするSKEだが、12年の紅白歌合戦に出場した後あたりの時期から卒業するメンバーが続出。13年、14年と2年連続で20人近くグループから抜けてしまった。それに伴い人気は低下。昨年1月には松井玲奈がブログに〈前々から感じてはいましたが、イベントへ参加してくださる方が減っている気がしています〉と投稿するような事態にまで発展した。
そんな状況下、15年はさらに厳しい事態に追いやられる。山田みずほ、古川愛李、小林亜実、岩永亞美といった中核メンバーが相次いで卒業、さらに、グループ1、2を争う人気メンバーだった松井玲奈や、次世代ホープと目されていた神門沙樹もSKEを去ってしまったのだ。結果、最新シングルであり、松井玲奈の卒業シングルとなった「前のめり」は40万枚を少し超えたほどのセールスに終わる。この数字は、avexに移籍して以降、最低クラスの売り上げである。
結果として、SKEは今年の紅白には落選。連続出場は3年で途切れてしまった。ちなみに、同じく3年で連続出場を途切らせてしまったのが、ももいろクローバーZ。落選が決まってから「紅白卒業宣言」を行いメディアで話題になったももクロだが、厳しい状況にいるのはAKBグループだけでなくこちらも同じである。AKBのみならずアイドルシーン全体が曲がり角にある。
話をAKBグループに戻すと、こういった状況を受けてか、最近卒業の発表が相次いだ。そのなかには宮澤佐江、高城亜樹、永尾まりやといった中核メンバーの名前も含まれている。