ソウル中央地裁で無罪判決を下された産経新聞・加藤達也前ソウル支局長(YouTube「ANNnewsCH」より)
韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして、産経新聞・加藤達也前ソウル支局長がソウル中央地検から起訴されていた問題で、本日無罪の判決が言い渡された。
韓国外務省からの「日韓関係を大局的に鑑みて善処すべきという日本側の要望を斟酌することを望む」という要望文が読み上げられるなど、政治配慮のにおいもするが、無罪となったのは非常に喜ばしいことだし、表現の自由の原則から考えれば当然の判決だ。
しかし、一部の右派メディアやネトウヨたちはそれでも、「一見民主化のハリボテだらけの韓国には呆れます」「普通の国なら裁判どころか問題にもならない件。韓国は異常な国」と叫び、批判を続けている。
たしかに、今回の事態が表現の自由という原則を貫いたのでなく、政治配慮でしかないなら、これは大いに問題だし、批判されるべきだろう。
だが、これは何も韓国という国の特殊性に帰する問題ではない。政治家や官僚への批判を名誉毀損で封じ込むという言論弾圧体質については日本も同じ。いや、むしろもっとひどいことになっているのだ。
安倍首相は判決を受けて、「無罪判決を評価する」「報道の自由、言論の自由は守られなければいけない」などと語っているが、司法を動かして名誉毀損で批判報道を抑え込んでいるのはまさに、安倍自民党なのである。