『体を壊す食品「ゼロ」表示の罠』(SB新書)
ここ数年、急激に増えている“ゼロ”食品や飲料。とくにテレビCMを打っている食品や飲料のほとんどが、「糖類ゼロ」や「カロリーゼロ」(または「オフ」「カット」「フリー」)などを強調していることがほとんどだ。
たとえばアルコール飲料。長瀬智也と水川あさみがCM出演する「アサヒスタイルフリー」(アサヒビール)は、糖質ゼロでカロリーは100mlあたり24kcal。三村マサカズと桐谷美玲がイメージキャラを務める「極ZERO」(サッポロ)は、糖質ゼロ、プリン体ゼロ、人工甘味料ゼロ。サントリー「おいしいZERO」は糖質とプリン体ゼロを売りにしている。その他、カクテルやノンアルコールも同様に「ゼロ」だらけ。
菓子類に目を向けると、チョコレートからはその名も「ZERO」(ロッテ)が登場。糖類ゼロが売りで、公式サイトには「健康を意識されている方に食べてもらいたい」との文言が並ぶ。そしてアイスや和菓子、クッキーにも“ゼロ”は波及している。
マヨネーズ界からは、ノンコレステロールを謳う「キユーピーゼロ」(キユーピー)が登場。通常のマヨネーズが100kcalのところ、こちらは50kcalと見事に半分カット。ドレッシングは「ノンオイル」と書かれた商品が売れている。
バターやマーガリンを見ると、バターが“ゼロ”とするのは「無塩バター」程度の一方、マーガリンの“ゼロ”は幅広い。
コレステロール0の「ネオソフトハーフ」(雪印メグミルク)は、通常のマーガリンに比べると、カロリーが半分だという。他にも、「ラーマ プロ・アクティブ」(J-オイルミルズ)、「明治なめらかソフト」(明治)、「明治コーンソフトハーフ」(同)などが、塩分や脂肪分をカットしている。
さて、これら“ゼロ商品”に対して警告をならすのが、『体を壊す食品「ゼロ」表示の罠』(SB新書)だ。著者は、医学博士で日本ダイエットスペシャリスト協会理事長の永田孝行氏。