小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

今度は責任逃れで『クロ現』打ち切り!? NHK籾井会長の反知性的言動と報復体質を元経営委員が明かす

 つまり、むしろ“やらせ問題”をきっかけにして、安倍政権に批判的な報道をする『クロ現』を葬り去り、加えて私的な経費使い込み問題等への批判をうやむやにしたい籾井会長の意図があるというのだ。

 とりわけ官邸と籾井会長には、『クロ現』と国谷裕子キャスターに関して“前科”がある。昨年、「FRIDAY」(講談社)が報じた“土下座謝罪騒動”だ。

 昨年の集団的自衛権閣議決定の直後、7月3日放送の『クロ現』に菅義偉官房長が生出演したときのこと。国谷裕子キャスターは「他国の戦争に巻き込まれるのでは」「憲法の解釈を簡単に変えていいのか」など、キャスターとして至極当然の質問をしたのだが、番組終了後に官邸は激怒。「君たちは現場のコントロールもできないのか」などと恫喝し、籾井会長をはじめ上層部が“平身低頭”となって謝罪したという。

 公権力によるあからさまな圧力だが、ここで問題にすべきは籾井会長の“資質”だ。NHKは元来、運営資金を国家権力に依存しないために受信料制度をとっているはず。だが、籾井会長といえば、就任会見後の「政府が右というものを左とは言えない」「(従軍慰安婦は)どこの国にもあった」などという発言に表れているように、安倍政権の圧力にへこへこと頭を下げ、権力への追随を隠そうともしない。そして、NHK内では、この自身の“忖度体質”に批判的な幹部や職員を制裁する“恐怖政治”を敷いてきたのだ。

 2014年度までNHK経営委員長代行を務め、3年の任期を終えて退任した上村達男早稲田大学教授は、新刊『NHKはなぜ、反知性主義に乗っ取られたのか』(東洋経済新報社)で、「組織のガバナンス」の観点から、籾井会長の性格をこう喝破している。

〈籾井会長は、非常に単純と言えば単純で悪人ではありません。しかし、これは経営委員として選出の責任がある以上は忸怩たるものがありますが、巨大組織のトップを担うにふさわしい素養・知見といったものがそなわっていないだけでなく、気に入らないとすぐに怒鳴り出す等、そうした欠陥を徳で補う側面も欠落しています。文句を言われて怒鳴るだけでなく、普段から理事に対しても「お前なー」という言葉遣いです。別に君子の交わりでなくても良いのですが、人格を尊重し合う人間関係そのものがありえず、常に上下関係で物事を捉えます。〉
〈議論しないで済む生き方が、何でも敵味方に分類して、自分に対して批判的なのは敵だからだと思うというあり方なのだと思えます。〉

 実際、籾井会長は、自分に楯つく物に対し、露骨な“報復人事”を見舞っているという。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する