女装男子が出演しているという情報は当初、それを知った目ざといツイッタラーがキャプチャ画像と一緒にツイートし、かなりのリツイートを稼いだことで知れ渡った。その後、新聞やドラマニュースサイト、まとめサイトなどでも取り上げられて、話題になっている。
今のところ由希の出番は多くないが、原作では潤子を自室に連れ込んで半裸で誘惑したり、仮病を使って潤子と二人きりになり、無理矢理唇を奪ったりしていた。現在、漫画では由希は潤子の妹、寧々に告白されて、二人の仲は急接近している。由希は読者のキャラクター人気投票でもランキング5位につけているほどの人気だ。ドラマでもこれから出番が増えるかもしれない。
ただ、月曜日午後9時から放映されているドラマだけあって、11巻まで発売されている原作をかなり換骨奪胎しており、異同も多い。マンガ版はセックスシーンも多く、かなり濃厚で過激なのに対し、ドラマは石原と、彼女をひたすら追いかける山下の、気が抜けた退屈なドタバタ劇にしかなっていない。
ここのところ『HEAT』『心がポキッとね』『戦う!書店ガール』などドラマの視聴率がことごとく低迷しているフジテレビ。とくに目立つのが時代の流行を表層的に取り入れて失敗するパターンで、今クールでいえば『オトナ女子』がその典型だろう。『5→9』も女装男子を真っ向から男性に演じさせたはいいが、ドラマとしては撃沈する可能性もある。せっかく美しい女装男子を登場させるという前代未聞の試みを行ったのだから、物語のほうももっと冒険をしてほしいものだ。
(山田 葵)
最終更新:2015.11.03 09:16